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『八月のシャハラザード』

 『はっきり言って、うちらには“技術”っつうもんがありません。しかしそれをも感じさせない演劇に対する“情熱”がある・・・・』  
 これは僕が劇団『非常口』だった時のパンフレットに書かれてある、当時製作総指揮だった野村亮太君の言葉です。今年で18年目を迎えた『非常口』ですが、代が替わってもその人気が根強い理由はすべて、この言葉で表せると思います。そして僕らBRIDGEもこれと変わりません。
 “技術”がない。だからそれ以上の“情熱”でお客さんと向かい合いたい!だからBRIDGEのキャスト陣はいつも直球勝負。もちろん、それで全てが許されるとは思いません。ですが、ひたすら自分の役に純粋で、正直で、がむしゃらな彼らだからこそ、伝わるものがきっとあるはず。みなさんの魂を震わせる瞬間がきっとあるはず。BRIDGEの舞台にはそんな可能性が秘められていると思います。
 
 BRIDGEの稽古場はとにかく楽しいんです。どんなに疲れがたまっていても、一気にアドレナリンが分泌されて体が燃えてきます。今日(11/26)も、このあいだの稽古を撮ったビデオを観て、自分達のあまりの未完成ぐあいにガク然としたのですが、その後の稽古ではみんなの集中力と活気が火を吹いていました。三ヶ月という長い期間でひたすら稽古を繰り返していると、壁にぶち当たることはしばしばです。しかしそんな時、彼らには異様なまでのパワーがみなぎります。9人全員の眼が血走ります。そうやって彼らは何度でも困難を越えていく。そんな連中だからこそ、僕自身もスタッフとして彼らの芝居に最後まで惚れぬくことができました。
 今年の7月に、勢いで誕生したtheatre project BRIDGE。このメンバーだからこそ熱い想いが結集し、今日みなさんとめぐり逢えたのだと思います。キャスト、スタッフ、応援してくれる方々、そしてお客さん。誰一人として欠かせない、そんな空間。しかもそれは、今日という一瞬にしか存在しません……。

 さて、観終わったみなさんは今どんな思いを抱いているのでしょうか。僕の中で期待と不安は渦巻くばかりです。
 本日は足を運んでくださって、本当にありがとうございました。
 また逢いましょう。

| 2000,12,09,Sat 2:23 | theatre project BRIDGE | comments (x) | trackback (x) |

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