カズオ・イシグロ「日の名残り」
私どものような人間は、何か真に価値あるもののために微力を尽くそうと願い、
それを試みるだけで十分であるような気がいたします。


ついに読んだぜカズオ・イシグロ。
面白かった!
貴族政治ばんざい!
執事ばんさい!
執事喫茶〜とか言ってる場合じゃないよ!

今までに読んだことのないタイプの小説だったと――そうはいっても、わたしが今までに読んだことのある小説の数などたかが知れてはおりますが――断言することにいささかのためらいを感じずともよいのではないかと思われます。
 ↑
感動を翻訳調にするとこんな感じです。いや違う。
この本の言い回しは、まわりくどいけど全く嫌味じゃない。すごい。
原本読む勇気はないけど、これいい翻訳なんだろうな。

ナンバー2になりたい。
と、15年くらい前から、ずっと思っていました。
そのころになんとなく、自分はナンバー1にはなれないことが分かったから。
だったら、自分が見込んだナンバー1に実も心もささげるから、
1に必要とされる、ナンバー2になりたい。
それはブレーンであったり、秘書であったり、執事であったり、
ボディガードであったりするだろうけど、
たぶん恋人や夫婦ではないような気がしているんですよね。
あくまで、オフィシャルな立場の、1と2でありたい。

たぶん、ナンバー1はヒトでなくてもいいんですよね。
組織であったり、国家であったり、宗教であったり。

えぇ、情けないことに、わたしの人生の大きな目的は、わたしのナンバー1探しですよ。いまだに。なかなか見つかりません。

だから、この本の主人公のスティーブンスがとてもうらやましい。
ダーリントン卿っていうナンバー1を敬愛し、信頼を受けているから。
「偉大な紳士に仕え、そのことによって人類に奉仕した」と断言できる執事が
真に偉大な「執事」である。とスティーブンスが語っていたのです。
まさにこれだよ。
この人生哲学、これから掲げていこう。

どうやら自分は非力らしい。
でも非力なりに社会にコミットしていきたい。
そうでないと何のために生きてるのか分からないじゃないか。

一番最初にあげた言葉のつづきは、
そういうチャレンジに人生をかけたなら、それがどんな結果になっても、
チャレンジしたという事実が、自分に自信をもつ理由になる、
ということでした。

ラスト近く、スティーブンスがへこんでいるのを見るのは辛かったです。
ナンバー1が退陣したら、2も一緒に退かなくちゃだめだね。
だけど現実はそうもいかないか。

とにかくいろいろ考えさせられる小説でした。
ほかの作品も読んでみなくちゃー。

あ、あと「季刊執事」読んでみたい。本当にあるのかな?
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